予防接種についてよく聞かれる質問

保育園での感染症対策の目当ては何?
感染症対策の目当ては、次の2点です
(1)個人の感染症防御
(2)保育園内の流行阻止または軽減
感染症対策と予防接種とはどのような関係があるの?
個人の感染症防御には、生まれたときから身体に持っている、いくつかの強力な武器があります
1.皮膚は強い城壁として侵入を防ぐし、口腔粘膜は唾液が、気道粘膜には繊毛と粘液層がごみやほこりや病原体をキャッチして外へ送り出す。
2.自然免疫(病原体が組織内に侵入した瞬間にはじまる)
3.獲得免疫
これらに加え、ここ百数十年に急激に発達した生物科学の恩恵が、
4.予防接種です。本ものの重い病気に罹らないうちに免疫をつけよう、という考えです
ワクチンと予防接種とはどこがちがうのかな?
ワクチンは、研究室で出来た製品またはそれを大量生産した製品
予防接種は、個々のワクチンを一人ひとりに接種することで、個人の体調や年齢等の諸条件や他のワクチン接種との間隔等を考慮して行う
ナマワク、フカツカ、トキソイド、これって何?
ナマワク(生ワクチン)
麻しん、おたふくかぜ、水痘、経口ポリオなど、弱毒化したウイルスを使用する。生ポリオワクチンは、80万回~数百万回に1回だが、腕や脚のまひという大変重い副作用が出ることもある。
フカツカ(不活化ワクチン)
ウイルスや病原菌の一部分を取り出して身体に入れて免疫活動を刺激し抗体を作らせる方法
トキソイド
細菌が出す毒素を取り出して、毒が働かないほど極めて薄い溶液にして身体に入れて免疫反応を起させる方法
生ワクチンの後の生ワクチンには4週間置き、不活化ワクチンやトキソイドの後は中3日ていどで他のワクチンを接種するのはなぜ?
生ワクチンは生きているため、ウイルスが体内で増殖しそれに対し免疫抗体を作り出す。免疫抗体によりワクチンウイルスが体内から一掃され、体内免疫反応が落ち着いて正常化してから次の生ワクチンを接種しないと、二種のワクチンウイルスが喧嘩して免疫がうまく出来ないことがあるから。
ワクチン接種後にお風呂に入るといけないの?
入浴によりワクチンの副反応が出ることはない。免疫生産低下もない。
追加)、カゼを引いているとき自分が欲すれば入浴しても差し支えない
子どもはカゼをよく引くが、予防接種をすれば引かなくなるのかな?
予防接種は、重症の感染症にだけ出来ているので、中等症以下のカゼには、小児科医の指導を受けて自力でなおすことが大切です。
ワクチン接種後、死亡事故があるのでしょうか?
A)「全く安全なワクチンも完全なワクチンも存在しない」、というアメリカ小児科学会の専門委員会の見解があります。その病気の対策が社会的または育児学的に存在し、ワクチンのみが救済手段ではない場合は接種は必須ではないと考えます。
B)接種事故について
アメリカをはじめ多くの国は、ワクチンによる以外に原因が証明されない事故はワクチンによるものと認定されるが、日本はワクチンによる事故であるという証明がないと認定されにくい。予防接種事故も薬害事件も、疑わしきは被害者の有利にすべきだという意見がある。

産官学癒着構造や不適切な予算配分により、薬害と認定されずに、被害者が泣き寝入りすることが少なくない。その事例は、水俣病、スモン、カネミ油症、B型C型肝炎被害者、未熟児網膜症、多くの薬害被害者、予防接種事故被害者、それに余り知られていないが解熱剤による脳症、など数々ある。ここ数年だいぶ改善されてきた。

1980年まではポリオ生ワクチンの果たした役割は大きい。しかし、今では本来のポリオという病気よりワクチンによる健康被害がはるかに大きく深刻になった。