政治家と科学

コロナ禍が始まって約一年たちますがわが国の新型コロナウイルス対応策を振り返ってみますと、トップのひらめきや思いつきで打ち出した施策が多数ありました。過去のパンデミックの教えや、国の内外から間を置かずに入手できる厖大な科学的データが使えるにもかかわらずどうして、政治家の偉い先生方が科学を敬遠するのか考えてみました。

1.皆さまも驚くと思いますが、どのような政治形態も、科学の論理を変えられないのです。この点では民主主義も強権独裁政治も共産-資本主義もすべて同じです。
2.政治家は、「票のとりまとめは任せて」といいますが、票がまとまっても科学の結論は動きません。
3.大臣のイスを約束してもダメです(笑)
4.賄賂も効きません。
5.カリスマといわれる人間力も人を圧倒する演説も科学は受け付けません。
では、新しい学説が世界に認められるにはどんな手順をふむのでしょう。
(1)まず仮説を立てます。(2)次に、仮説を証明するため必要なデータを観測や実験から集めます。(3)集めたデータを分析して①仮説が証明された②否定された③結論が出なかった。いずれかの結論を出し、(4)結論が出たらできるだけ早く世間に発表し、同時に扱ったデータの正確さを明示します。 (5)同様の実験を誰が行なっても同じ結論に達することが証明されなければ正しいとは認められません。

世界を見渡しますと、国の施策に科学を効果的に取り入れて新型コロナウイルスの押さえ込みに成功した例が見つかります。蔡英文総統の台湾、ジャシンダ・アーダーン首相のニュージーランド、メルケル首相のドイツなどですが、いずれも女性の首長が率いているのは偶然でしょうか。