勝又小児科・アレルギー科医院
静岡市葵区紺屋町12-5
TEL.054-252-6801
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予防接種は、金曜の午前・午後と土曜の午前中に予約制で行なっています。
また、金曜日の午後2時半から約1時間は、予約制で3・4と9・10カ月乳児健診をします。

育児お悩み相談

赤ちゃんをプールに入れたいと思っているお母さまへ

赤ちゃんをプールに入れてあげることについて、お母様から質問をいただきました。
赤ちゃんが、5センチほどの水を入れたビニールプールに坐って大喜びでバチャバチャしているのを見ると、こちらも楽しくなりますね。

  1. からだが沈むくらいの深さがあるプールに赤ちゃんを入れるとき、気を付けることは何かな?

    ◎水のなかは、地上と何がちがうでしょう?

    • 息ができない(水から酸素が取れない)
    • 浮力が全方向からかかるので身体が不安定(地上では鉛直方向にはたらく重力のみ)
    • 赤ちゃんの頭部は身長の3分の1から4分の1と大きく重くアンバランスですから自力で水面に上げつづけるのはとてもたいへん
    • 6カ月を過ぎるころには、顔が水につかると反射的に息を止めますが、息こらえできる時間は短いので息苦しくなって水を飲んでしまいます。 水をたくさん飲むと低ナトリウム血症を起こすことがあります(水中毒ともいいます)
    • 体温が急速に奪われる(熱は高いところから低いところへ流れる、赤ちゃんは筋肉が少ないので発熱力が小さい)

    ◎ ホテルや公共施設のプールの消毒と感染は?

    • 塩素消毒は義務づけられているので、水循環システムに定量注入装置が附属しており、水中の病原体が感染を起こすことはきわめて稀です
      塩素の量は、プール熱を起こすアデノウイルスを数秒で殺せる量に設定しているので、プールの水でプール熱が感染することはありません。
    • 水中の塩素が赤ちゃんに害をする心配はまったくありません。
      大腸菌と人間の体重比べをするとおよそ百兆倍となり、大腸菌1個が1kgと仮定すれば70kgは富士山の重量に相当します。殺菌用の塩素濃度は人体には害がないと分かりますね。

    ◎ 地上では考えられないようなことが起きるかもしれません

    • 赤ちゃんのプールあそびは、学問的な研究が少ないのでエビデンスに基づいた確実なお返事をするのが少々むつかしいです。
  2. 生後どのぐらいの月数でプールに入れることができますか?
    • 家庭のお風呂やビニールプールの浅い水に、赤ちゃんを抱っこして入れるのは、じゅうぶん注意すれば生後2カ月すればいいといわれます
    • ホテルのプールに入るのは、お坐りができて体幹がしっかりする6カ月過ぎてからが安心でしょう。
  3. 赤ちゃんをプールに入れるとき注意すること
    • 水温
      まず、水温32℃ていどが赤ちゃんには最適です。そのわけは、赤ちゃんは体積にくらべて表面積が大きいので、体温が短時間で奪われるからです。温水プールは少なく、夏でも冷たいことがありますね。冷たいプールに入れると、驚いて泣いたりぐずったりするかもしれません。水に入ることを嫌うようになってはまずいですね。
      唇や爪が青くなったりブルブルふるえたらすぐに水から出して乾いたタオルでよく水をふき、暖めてあげましょう。
    • 水に入れる時間は、初めは10分から、長くても20分ぐらいにしておきましょう。
    • 直射日光
      夏は紫外線が強いので短時間でも日焼け(日光皮膚炎)して、夜になってから痒みや痛みでぐずることがあります。
    • おむつ
      水中用の防水おむつカバーが必要です。これをしない と、大量の水を吸って膨らみ、内容が漏れ出して水を汚すことがあります。裸で入ると放尿したり排便することもあります。
    • 飲水と感染
      水を飲み過ぎて低ナトリウム血症になることがあります。
      感染については、定期的な塩素注入で消毒された公共のプールなら心配ありませんが、家庭用のプールに何人も赤ちゃんや子どもが入ると、水道水の消毒力では追いつかないので、感染が起きることもあります。
    • 水を気管に吸い込んでパニック
      滑ったり、倒れたりしてうつぶせに顔が水に入り、驚いた拍子に水を吸い込むとむせてパニックになることがあります。
    • 滑って転んで、頭部や顔面を打撲することがあります。
      赤ちゃんから手を離さないようにしましょう。
    • きわめて稀と思いますが、大地震が起きるとたいへんです。
      プールサイドから水中に飛ばされたり、プールサイドのチェアやパラソルや屋台が飛ぶこともあります。近くの樹木や建物の柱が倒れこむこともあります。
      赤ちゃんから手を離していると被害を避けにくいですね。
    • なにか、びっくりすることがあると、赤ちゃんは水やプールを怖がるようになってしまいます。そのようなときは急がず数週間以上あけて、またプールに入れてあげるとうまくいくでしょう。
  4. プール選び
    • まず、水温が温かいことです。とくに6カ月前の赤ちゃんを入れるには、32℃ぐらいの温水プールが最適です。温水プールが見つからない場合は、普通のプールでも可能ですが、赤ちゃんは体温が急激に下がるので、水に入る 時間は10分以内にしましょう。
      もし、プールの水温が大人に冷たいと感じる場合は、赤ちゃんには冷た過ぎます。
    • 水がきちんと塩素消毒されていて、ゴミなどが水面や水中になく水が澄んで いることも大切です。
      プール消毒のための塩素量は、ウイルスや病原体を殺菌する目的ですから、人間と微生物の体重比から、危害を及ぼすおそれははまったくありません。塩素は人体の汗や尿や汚れがあると消費が進むので、公共のプールでは水循環システムに定期的に注入する仕組みになっています。
    • 専任のライフガード(最悪の事態が生じたとき、救助と救急蘇生を行なえる技術と装備をもつ人)がいること。単なる監視員では不足です。
  5. そのほか、どんなことに気をつけるといいですか?
    • おへそが治癒して乾いていることを確認しましょう。もし、皮膚や呼吸器や胃腸の感染症がある場合は、公共のプールに入ってはいけません。
      治ったと思っても、体調を知っているかかりつけの小児科医師に聞きましょう。
  6. 持ちものは?
    • いつもの飲みものと食べもの、清潔なタオルを2枚、1枚はフード付きが役立ちます。 そのほかには、お風呂で使うような水に浮くおもちゃがあるといいですね。
  7. 赤ちゃんとプールに入るときの体勢は?
    • 水に入っていくときは赤ちゃんを自分の胸に密着させる
      水に入ったら、腋・腕の下に抱きかかえている
      頭が水面より上にあるように顔が自分の顔と同じ高さになるようにしましょう
      お坐りができるなら、プールに入る階段に赤ちゃんを座らせて、自分の拡げた脚の間に密着させておきます
    • ぜったいに目を離してはいけません(たとえ水が浅くても)
    • はずみで倒れて顔が水につかると、反射的に水を吸ってしまい、水が気管に入るとパニックを起こします
  8. 水のなかであそぶ
    • 歌をうたってあげると赤ちゃんがリラックスします
    • ゆっくり上げたり下げたりしましょう
    • ゆっくり前やうしろに動かしてあげましょう
    • 近くにおもちゃを浮かべると掴もうとするので、赤ちゃんの胴を両手で保持して手が伸びやすくしてあげます
    • 頭は水面から上に出していましょう
  9. 水に浮かせるための器具は?
    • 国内・国外のメーカーが便利そうな器具を売っていますが、そのどれも赤ちゃんの安全を保証していません。 このような器具類は使わない方がいいでしょう。メーカーが出す記事はしばしば我田引水的ですね。
    • さらに安全確実を願う場合は、アメリカのコーストガード(沿岸警備隊)保証付きライフベストを装着しましょう。
  10. 赤ちゃんとプールに入る大人の義務
    • 赤ちゃんが水のなかや水辺にいるとき頼りになるのは大人です。子どもにまかせ るのはやめましょう。
    • 大人は、自分が担当する時間のあいだ、決して手を離してはいけません。
      交代する場合は、「では頼んだよ」と、声を掛けて引き継ぎしましょう。

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